ETDC = ESTECH Technology Development Center 技術開発センター

近年、各種機器、機械のさらなる低振動・低騒音化への取り組みや自動車のハイブリッド化、省エネルギー化、環境対策などに見られるように、製品性能への社会的要求が高まっています。このような中、ものづくりの現場では、製品開発におけるより一層精度の高い実験が求められています。技術開発センターはこうした要求に応えるもので、高精度、高品質の実験を行うことができます。

技術開発センターは、実験ドリブンCAEの価値を一層磨き上げるために、実験解析エキスパートとCAE解析エキスパートが同一拠点で情報を共有しながら切磋琢磨することで、真にモノづくりに役立つ技術の開発を目指す拠点です。

技術開発センター紹介動画
技術開発センター外観
音響実験棟外観

技術開発センターの特長

1F:振動・騒音実験エリア
2F:解析オフィス機能

技術開発センター1Fは振動・騒音実験エリア、2Fは実験データ解析やCAEシミュレーション解析を行うための解析サーバとオフィス機能を備えており、実験解析エキスパートとCAE解析エキスパートが同一拠点で情報・知見を共有しながら技術課題解決に取り組むことで、高度な独自CAE技術開発を進め、お客様の設計・開発業務に貢献します。

また実験ドリブンCAEを推進していくために、実験解析技術とCAE解析技術の両方を有するエンジニアを育成します。

大型定盤とフレキシブルな実験空間

技術開発センター1Fには、5区画に分かれた振動・騒音実験エリアを新設しました。全区画共に高精度な振動計測が可能となる縁切り独立基礎を持つ大型埋め込み定盤を配置し、さらに吸音材による簡易無響室構造としています。

このうち中央の3区画は、仕切り壁を作らず連通させることでフレキシブルな実験空間としています。

また両端の2区画の1つは後述する油圧加振室、もう1つはEV車のパワートレイン振動・騒音試験の増加を見込み、将来、専用モータベンチを設置可能な大型定盤を導入し、高荷重床構造としています。

大型定盤
4.5m×3mの大型T溝付き床埋込定盤
厚さ1m以上のコンクリ塊の独立基礎により一般床と縁切りし、暗振動を遮断した精度の高い振動実験環境を作りました。
実験室
幅6m×奥行12m×高さ5m
2室は完全独立空間
特に秘匿性が高い供試品の実験や、お客様の長期滞在型実験業務に対応
3室は連続した大空間とし、柔軟性の高い実験レイアウトが可能(幅18m×奥行12m×高さ5m)

これら技術開発センターの設備に加え、従前より保有する以下のような実験機材を組み合わせることで、弊社独自の実験技術をお客様にご提供します。

フロントエンド

約800ch

加速度センサー

約850個

マイク

約90本

電磁加振器

18台

インパクトハンマー

26個

音源探査 アコースティックカメラ

1台

油圧加振システム

電磁加振器では困難な大入力での加振実験による乗り心地や操縦安定性領域での車体の微小変形試験などを可能とする、油圧加振設備が導入されています。

油圧加振システムの特長

  • 小型で汎用性の高い加振ヘッドにより、自由なレイアウトでの実験が可能
  • ランダム加振、スイープサイン加振、複合加振、実働PSD加振に対応

主なアプリケーション

  • ブッシュ等ゴム部品の動ばね特性計測、車体ヒステリシス計測
  • 車両のタイヤ接地面加振によるロードノイズ解析用試験
  • 部品の疲労試験
  • 電子機器の耐震試験
油圧加振器(上下全体ランダム入力強)
油圧加振器(前後アップランダム2回目)

実験設備

加振実験室(技術開発センター、音響実験棟)

技術開発センターに5区画、音響実験棟に1区画の実験エリア

各実験エリアを分割しての利用可能

大型定盤、2.8ton天井クレーンを設置、大型供試体の加振実験も可能

天井、壁面に厚さ50mmのグラスウール吸音材を設置

車両整備用ピットを有する区画も有り

半無響室(音響実験棟)

JIS性能をクリア

大型定盤 4.5m×2.5m設置、吸音楔 L=500mm

有効寸法W6.5m×L8.5m×H4.4m

排気設備も備えエンジン騒音計測も可能

ドライビングシミュレーター[VDX studio](音響実験棟)

映像・音・振動・コンテンツが一体となった

ハイスペックなドライビングシミュレーター

車両準備室(音響実験棟)

無柱油圧カーリフト、2.8t天井クレーンを設置

室内での積み下ろしも可能で秘匿も万全